Fundacion Museo Amano en Lima
ようこそ天野博物館へ
天野博物館は実業家・天野芳太郎(1898~1982年)が、ペルーの首都リマ市に私財を投じて1964年に設立した本格的なアンデス文化に関する考古学博物館です。展示・収蔵品は数万点。日本人が海外でこのような博物館を創設した例はなく、そのユニークな展示方法や解説の仕方とあいまって極めて個性的な文化ポイントとして注目を集めています。 この博物館の一番の特色は、天野芳太郎のアンデス文化に対する畏敬の心にあります。天野の考古学のフィールドはリマ市の北およそ60キロにあるチャンカイ河谷が中心でした。この遺跡に関心を抱く考古学者はペルーにもいなかった時代に、天野は仕事の傍らこの地を訪れて発掘・採集をし続けました。そこで発見された織物や土器類、化石化した栽培植物(トマトやトウモロコシの原種)、死者とともに埋葬された生活用具から、チャンカイ河谷には極めて優れた文化が存在していたことがわかったのです。
アンデスと言えばインカ文明の偉大さを思い浮かべますが、実はそれ以前に芸術的にも技術的にもレベルの高い文化がペルー各地にすでに花開いていたのです。インカ文明はそれらの結果であり統合だったというべきでしょう。こうした文化も15世紀半ばピサロ率いるスペイン軍によって、瞬く間に消し去られました。天野はかつて豊かですばらしかった時代を生きた人々に代わって、彼らの誇りと無念の想いを天野博物館から世界に訴えているのです。
天野博物館に入ると大きなペルー遺跡地図が掲げられています。ところが、この地図には不思議なことにチャンカイの地名が書き込まれていません。それは、生前の天野が「これこそ、誰もがチャンカイを顧みなかった時代の地図だ。ここは、文化とは何かを考え直す場だ」と自らに言い聞かせた言葉であり、来館者の皆様へのメッセージなのです。
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